本日は5社の銘柄が初値がつきました。前日持ち越しと4社同時上場。さすがに重なり影響度の大きい日になったかも知れません。全IPOを初値と初日の動きを見ながらレビューしていますので、記事が長くなりますがお付き合いください。
まずは2日目となったイシン(143A)から。
初値売りで約11.5万円のプラスです。公募当選者の方、おめでとうございます。
【イシン(143A)】（公募価格1,080円）
初値：2,234円（公募比: +1,154円/+106.9%）
高値：2,390円
安値：2,030円
終値：2,045円
出来高：868,500株（公募売出総計：490,000株）
2日目は即金規制や4社上場予定も響いたか？特売りとなり下からのスタートとなりました。初値は2,234円で決着、初日の上限価格の2,484円からは250円近く下からのスタートです。二連続で初日に値をつけておけば良かったのにのパターンですね。初値が付いてからは下方向に勢いよく下がってから一度は切り替えしたものの、あまりパットしない値動きで初日は終えています。
即金規制で資金の回転がしにくい中、そこに新規に4社も初値が付く状況でしたのでセカンダリーの買い意欲もかなり削がれたでしょう。明日は即金規制明けとなります。3社の上場が控えていますが、注目度がかなり高い銘柄は減っていますので再注目される可能性はありますね。本日の出来高は公募売出総計の2回転弱でした。明日は仕切り直しでどうなるか気にはしたいですね。
こちらはピタリ賞はでませんでした。
読者予想の平均値は3,000円あたりとなっています。やはり上場ラッシュの煽りを受けてしまった印象は否めないです。この時期に一旦過熱感が冷めてしまうともともとの予想値に戻るような動きにはなりにくいとみていますが、どうでしょうかね？
次にＪＳＨ(150A)。
初値売りで約4.3万円のプラスです。公募当選者の方、おめでとうございます。
【ＪＳＨ(150A)】（公募価格456円）
初値：893円（公募比: +437円/+95.8%）
高値：1,008円
安値：798円
終値：806円
出来高：5,227,400株（公募売出総計：850,000株）
初値は893円。当方直前予想を900円としましたが、敢えてゴロが893（ヤクザ）で値がつくのはどういうことでしょうか？一先ず予想通りの900円近くで値が付いてからはまずは上方向を目指しました。1,000円未満のスタートということで値幅制限は150円です。ストップ高は1,043円でしたが、そこまで行く勢いはなく1,000円を超えたところが精一杯。今度は下方向に行くと逃げ足も速いですね。終値は初値よりも安い800円近くとなっています。
出来高は公募売出総計を6回転あたりしており回転はしているものの、ロックアップ解除のVC勢の玉の多さを考えるとこれでも買い圧は足らない印象ですね。上場ラッシュ中でなかったら、一気にストップ高も狙えたかも知れませんが仕方のないところでしょうか？
SBI証券主幹事銘柄ということでIPOチャレンジポイントの状況も書いておきます。ボーダーラインを200P、100株当選とすると43,700÷200≒219円ですね。1P219円なら、上場ラッシュ中で単価の低い銘柄としてはそれなりの数字が出ました。ここはポイントを200P近くという低い投入量で取れたかどうかが鍵ですね。申込時に予想するのは難しく、欲しい人はもう少し入れてそうで、例えば400P投入したら1P100円程度に落ち込みます。
それでもポイントを100円以上で現金化出来たというのはポイントインフレの中、悪くないのかも知れません。
こちらもピタリ賞はでませんでした。
読者予想平均もほぼ900円付近を示唆していましたし、私の予想もこのあたりで初値予想としては思惑通りの結果となっています。
3つ目にハッチ・ワーク(148A)。
初値売りで約6.5万円のプラスです。公募当選者の方、おめでとうございます。
【ハッチ・ワーク(148A)】（公募価格2,160円）
初値：2,815円（公募比: +655円/+30.3%）
高値：3,315円
安値：2,781円
終値：3,315円
出来高：2,713,000株（公募売出総計：303,300株）
初値は約3割高の2,815円に留まりました。評価の難しい銘柄でしたが、結果的に同時上場で不安感があると見られて低めのスタート、それが狙われてストップ高という動きになっています。出来高は公募売出総計の9回転。前場のストップ高に行くまではかなり回転して買われており、本日の初値後のセカンダリーの主戦場とも言える状況でした。
なお警戒感が出やすい1.5倍は3,240円ですので、すでにそこを超えています。次はどこが天井となるのかマネーゲーム的な銘柄として明日も値動きには注目です。公募組は売り時に悩んだ銘柄だったかも知れません。
こちらはニアピン賞がでました。レモンパン様が2,820円でニアピンです。
読者予想は中央値で2,540円、補正値で2,724円と危うい銘柄として見られていたようです。当方の予想も当初3,888円から直前3,200円に下げたように非常に評価がブレやすい銘柄であったことは間違いないですね。
4つ目にソラコム(147A)。
初値売りで約6.93万円のプラスです。公募当選者の方、おめでとうございます。
【ソラコム(147A)】（公募価格870円）
初値：1,563円（公募比: +693円/+79.7%）
高値：1,600円
安値：1,300円
終値：1,338円
出来高：11,212,100株（公募売出総計：10,805,300株）
初値は1,500円超えの1,563円でした。間違いなく本日の最注目銘柄として見られていたと思いますが、初値はほぼ予定通りの1,500円超え、一方で初日の動きは下方向でした。注目銘柄が初日で下方向になってしまったのは残念かもしれません。一方で当方のBB時の初値予想は1,350円だったように今日の終値の1,300円付近でも十分高い位置ではあります。やや過熱気味の初値だったというのが初日の評価でしょうか？
大型の注目銘柄ですので、この後は数日掛けて戻ってきて初値を奪還して上に行くかどうかの視点に移りそうですが、とりあえずは上場ラッシュも続きますので短期資金は別銘柄に行きやすそうですね。IPO好調とはいえ、やはり過密上場ラッシュで後半になってくるといつものように単純にアゲアゲではないところが、またIPOらしさを感じます。
こちらはピタリ賞はでませんでした。
読者予想の平均値は1,300～1,400円ということで初日の終値でもやはり大方の予想通りの数字レベルです。初値は行き過ぎたかも知れませんが、まだまだ終わった銘柄ではないというのも確認できるでしょう。3月IPOの最注目銘柄には違いないと思いますので、切り返すのか気になりますね。
最後にL is B(145A)。
初値売りで約3.65万円のプラスです。公募当選者の方、おめでとうございます。
【L is B(145A)】（公募価格1,188円）
初値：1,553円（公募比: +365円/+30.7%）
高値：1,600円
安値：1,369円
終値：1,435円
出来高：5,170,500株（公募売出総計：1,454,500株）
こちらはほどほどの3割高微増結果に終わりました。初値は1,553円です。初値プラスの安心感はあったものの注目度や規模感を考えると微増レベルになりやすかったと思います。さすがに5社の値付があるとなると、ここはやや置いてかれた初日の動きでしょうか？しかし出来高は公募売出総計を3.5回転程度していますので、それなりにIPOらしい雰囲気もあります。
初日チャート的には初値後に下げてから上がる気配を見せて動いているように見えてますが、結局は初値を挟んで上下ウロウロしている程度となっています。終値は初値よりも下の位置で、当方の初値予想よりも低いことから、ちょっと割安放置感も出てきていますね。こちらの銘柄は公開価格が仮条件を超えた銘柄になりますが、こういう動きをされると初値が想定よりも低くなりやすい気がするのは私だけでしょか？
こちらはニアピン賞がでました。dai様が1,550円でニアピンです。
読者予想平均は概ね1,550円あたりということで、読者予想の集合知の的中率の高さを思い知らされています。非常に価値の高いデータとなっていていつも初値予想ありがとうという気持ちです。4月中に1～3月のIPOの予想的中者にはアマゾンギフト券を配布いたします。
以上、5社の初値レポートです。さすがに5社の値付けがあると振り返るのも大変です。
最近はセカンダリー記事も書いていますので、そちらでも戦略の振り返りを書いています。完全一致の予想は出来ないと読んでいる方も分かると思いますが、上場前に考えておくことは大切で、その考えの手助けになっていればと思います。
3月上場ラッシュも後3日、ここが頑張りどころですので精一杯頭使いたいですね。
⇒【IPO初値結果一覧表】上昇率、損益、その後の値動きなどチェックに
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