クリスマス上場のIPOが出てきました。もうそんな季節なのかと年の瀬を感じさせます。これで12月上場は14銘柄となりました。いよいよ年末最終週の上場銘柄の登場ですので、後少しといったところでしょうか?上場は多いものの今のところ同時上場は2社どまりと比較的ばらついているのは好感が持てます。

ナルネットコミュニケーションズ(5870)のIPO新規上場情報

オートリースなどの法人企業や個人でもリース持ちしているような車のメンテナンス管理事業を行っています。とはいっても実際のメンテナンスは全国の整備工場でしょうから、ここは取次サービスがメインと言ったら良いでしょうか?

想定価格は1,180円。主幹事はみずほ証券です。
吸収金額が想定価格ベースで31.1億円で、東証グロース上場の中型IPOです。

ジャフコが参画して筆頭株主となっている会社で今回の上場もほぼ売出ということでイグジットIPOとして見られそうです。うまく上場できればジャフコさんはVCとして上手としか言いようがないですね。たまには公募組にも良い思いをさせてほしいです。

事業内容の殆どをメンテナンス受託事業が占めています。相手先はモビリティ企業向けで、ついでにBPO事業などのシステムも請け負っているという感じです。車両とかタイヤの管理、システムデバイスの管理などしてそうです。

最近はモビリティサービスは一家に一台自家用車ではなくレンタカーサービス、カーリース。カーシェアサービスが増えています。私もタイムズカーのカーシェアサービスは利用できるように契約しています(あまり使いませんが・・・)。

そういった車たちのメンテナンスは確かにサービス提供の法人としては悩みの部分ですので、こういったところが取り次ぐことで円滑に本業サービスを提供できるようになっているのですね。

サービスの特徴としては全国に一万以上の提携整備工場があります。車の整備工場は殆どが個人事業者でしょうから、法人の大量の車のメンテナンスは美味しい仕事ながら、一つの整備工場では対応が難しく、ここのような会社がうまく取り次ぐことでWin-Winの関係を結んでそうですね。

目論見書の中で興味深い部分が、2023年9月に伊藤忠商事がここの株を大量取得しています。「Mobility & Maintenance Japan」という社名で株取得していますね。今回ジャフコが売り出すことで筆頭株主は伊藤忠になります。ここの実権は伊藤忠がこれから担う感じですね。

「伊藤忠」といえばビッグモーター買収で盛り上がっていますが、もし伊藤忠がビッグモーターを二束三文で買い取ることが出来れば、中古車メンテナンスはこの会社が担うことでかなり大きなシナジー効果が生まれそうです。

最後に業績です。あまり成長性は高くないですね。そこにグロース・中規模・ジャフコのイグジット案件。基本的に初値は危険臭がしますが、中期的には伊藤忠が先に株を取得して伸ばすように戦略立ててそうで、そこに乗るかどうかになりそうです。早売りの人は様子見案件というのが第一印象ですね。

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